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コラム 2009  >2010年


2009年11月18日
松江の北の空に「光柱現象」が出現


 23時30分頃、受験勉強中の下の娘に突然起こされました。空にたくさんの光が輝いているとのこと。
 外に出てみるとたくさんの光柱が見えました。これは日本海のイカ釣り船の照明が雲に反射して見える現象です。
 これまでの何度か見たことはありましたが、今回はとても素晴らしい光柱でした。 何本もの光柱には遠近感があり、立体的に見えました。遠くからやってくるUFOの群れを唖然として見ているという印象でした。
 画像はいつも新星パトロールに使っているカメラによるものです。

安部(八束)


2009年11月10日
不思議な星「ミラ」が明るくなっています



2009.11.5 22h48m
f50mm ISO400 30s

11月5日の月夜に写したので、
空がとても明るいのですが、
ミラ(写真では3.6等位)は
肉眼でもはっきり見えました。
 ギリシャ神話に出てくる「お化けくじら」の心臓あたりにある「ミラ」は、およそ330日で2等星から10等星位まで明るさが変わります(文献によっては3等から9等)。
太陽の400倍以上もあるでっかい星で、星自身が膨らんだり縮んだりすることで明るさが変わるそうです。

今3等台まで明るくなって、肉眼でみることができます。
一番明るくなるのが今頃(11月中旬)と予想されています。


 この星は400年以上昔にドイツの天文家によって発見され、星名「ミラ」はラテン語のStella Mira(不思議な星)に由来するとされています。
 2007年には13光年に及ぶ長い「しっぽ」が観測され、さらに不思議な星になりました。
(アストロアーツ天文ニュース2007年8月16日掲載)

金津(石橋)

2009年11月8日
幻日(げんじつ)を観ました



11月8日16:08

11月8日16:13
山口県にて
 皆さん幻日(げんじつ)を観たこと有りますか?
 太陽の周りに日笠(気象用語でハローと言うそうです)を観られた方はいらっしゃると思いますが、幻日はそのハローの一部分が太陽のように明るく輝く現象です。夕陽が西に沈む前に太陽の左右に太陽が3個有るのでは?と思うぐらいの輝いた幻日がごくごく稀に出現します。

 11月8日16時08分、山口県近辺で幻日が出現しました。
 職場で目撃したので携帯カメラで撮影しました。この日の幻日は虹色でした。
 夕陽の上の方にも、逆さまな虹みたいなのが出ていましたが(右の写真)、これも幻日なのかアークと呼ばれる逆さ虹なのかははっきりしません。

 これを最初に観た時にペルセウス座流星群の流れ星を初めて観た時と同じ、興奮と感動を覚えました。
 

中村(宇部)


2009年10月18日
宙のまにまに 天体観察「超」入門


 高校の天文部の活動を描いたアニメです。今回、その作者による初心者天文ファン向けの入門書が発刊されました。サブタイトルは、ずばり「機材ゼロでも大丈夫!」です。
 カラフルな公式ホームページにはいろいろな情報があります。WEBラジオもありますので、ぜひどうぞ。なお、この夏にはアニメがオンエアされ、松江ではCATVマーブルのサンテレビで見ることができました。現在、DVDが順次発売中です。
 この「宙のまにまに」シリーズを読むと星が好きだった高校時代を思い出される方が多いのではないでしょうか。これから星に触れたい方にもお勧めです。
・・・満天の星、そして天の川。ぜひこの感動を味わってほしいっ☆(本書19ページより)

安部(八束)

2009年10月17日
217Pリニア彗星がアウトバースト



10/4(日)早朝

10/17(土)早朝
※共通データ
367 Yatsuka 八束天体観測所
0.26-m f/6.0 reflector + ST-9XE(30sec露出)
画像の一辺は角度の23分(60分=1度)

 刻々と位置を変えていく彗星、その姿や明るさの変化も魅力的なものです。
 217Pリニア彗星は現在オリオン座の近くにいる彗星ですが、10月14日頃に小規模なアウトバーストを起きたらしいとの情報が入りました。
 10月17日(土)、5時前に目が覚めたら満天の星空でした。薄明が進む中でこの彗星を撮影しました。
 最近の明るさも11等程度のようですので2等ほどの急増光のようです。彗星の姿もこの2週間ほどで大きく変わっていることがわかります。
 現在はCCDカメラでの捜索が主流ですが、以前のような天体望遠鏡で眼視による捜索なら、こうしたアウトバースト(急増光)の際に発見されていたかもしれません。
 これからの季節、少し早起きすると東に低い彗星が観測できます。

安部(八束)

2009年9月23日
メガスターを見てきました



左は常設のミノルタプラネタリウム
INFINIUMβ
右がメガスターU

60cm反射望遠鏡(西村製作所)もあります
 三瓶自然館(サヒメル)で「夜空をこえた天象儀(プラネタリウム」と題したメガスター特別投影を見てきました。
 天の川の濃淡のディテールが見事に映し出され、双眼鏡で見ると雲ではなく星の集まりだとわかりました。オーロラの投影も見事でした。
 さらに、投影装置(左の写真)がとてもコンパクトなのにもびっくりしました。
 ついでにドーム映像で「銀河鉄道の夜」を鑑賞してきました。宮沢賢治の世界を幻想的に描いたCG作品でした。

金津(石橋)

2009年9月13日
48年前、松江大橋で天体望遠鏡展示


 昭和36年、松江大橋で天体望遠鏡が展示されたそうです。9月13日の山陰中央新報「城下町の移ろい〜松江今昔スナップ〜」に、「宇宙への関心(松江大橋)」と題して写真が掲載されました。
 いかにもガッチリしていそうな反射望遠鏡と経緯台です。48年前、今頃の望遠鏡よりも丈夫そうに見えます。
 これは昼間のスナップですが、松江大橋の欄干越しに、望遠鏡は何処に向けられていたのでしょう。
 この年に世界初の有人宇宙船ボストーク1号が打ち上げられ、ガガーリン少佐の「地球は青かった」が歴史に残る言葉となりました。
 同年10月には、高知の関勉さんが「関彗星」を発見されました。関さんの最初の彗星発見です。
 坂本九「上を向いて歩こう」が大ヒットしたのもこの年。この数年後に「星」に夢中になった私は、当時8歳でした。

金津(石橋)


  
2009年8月30日
松江テルサのドームシアターが復活



 投影機器の故障で利用がストップしていたドームシアターでしたが、この夏から復活しました。
 番組は2部構成で、1部目は「その季節の星空」、2部目は「バーチャル宇宙旅行」となっています。
 先日、私も見てきましたが、すばらしいCG映像に圧倒されました。星像は米子児童文化センターのプラネタリウムに較べて少しコントラストが強めですが、星空の説明には十分なものです。とにかく、大画面のきれいなCG画像の動きには強いインパクトを受けます。
 松江の近くで、昔からの純粋な光学式のプラネタリウムを楽しむなら「米子市児童文化センター」、最新のCG画像による星空を楽しむなら「松江テルサ」で良いでしょう。
9月1日からは秋のプログラムが始まります。また、「青少年の知的好奇心応援」として、高臨場感学習体験プログラムを計画されています。
 全国的にプラネタリウムの廃止が進んでいますが、テルサ名画劇場とのコラボで復活したドームシアター。この意欲的に取り組みに大いに期待しています。

・9月からの上映時間11時00分〜
             14時00分〜
             17時00分〜
・上映時間  約30分
・料金 一般 300円
     小中学生 250円(幼児無料)
     親子ペア 団体の取り扱いあり
※詳しくは、チラシをご覧ください。

安部(八束)

 松江テルサ

2009年8月18日
「めざせ1000万人!
みんなで星を見よう!」参加証

デザインがいろいろ変わります。それが楽しみ!
 ガリレオが初めて望遠鏡を宇宙に向けたとされる1609年から400年。今年は、「世界天文年2009」として日本でもいろいろなイベントが企画されています。
 そのひとつに「めざせ1000万人!みんなで星を見よう!」があります。現在のエントリーは256万人強で、目標の4分の1。年内に1000万人は・・・?
 左は、報告した時に発行される参加証の一部です。星を見たら、記念に報告してみてはいかがでしょう。
 先日の日食観察はもちろん、同好会名で400人の参加記録を報告してあります。

金津(石橋)


2009年8月13日
星を好きになった頃
−小学校の教科書の思い出−


出典:新編新しい国語5年下(東京書籍株式会社)昭和42年7月発行

 星のお話をするとよく星を好きになったきっかけを聞かれます。実は良くわかりません。思い出の中にはいくつかの天文・星や科学の本があるのですが、もうひとつには小学校の頃の教科書があります。国語の教科書だったと思います。小学校低学年の頃の月の満ち欠けの記事、小学校高学年の頃の彗星の記事(確か新聞記事の紹介だったと思う)のように覚えています。
 さて、当時の教科書ですが、内中原町にある県の教育センターに古いものがたくさんあります。5月頃に一度チャレンジしましたが、見つかりませんでした。先日、もう一度チャレンジしてみました。
 ありました、1冊。僕が小学校5年生の時の教科書です。当時、僕の住んでいる八束町大根島は離島です。もちろん本屋さんなんかありません。天文ガイドを初めて読んだのも小学校6年生の時ですから、この教科書の記事はとても新鮮だったように記憶しています。  

安部(八束)


2009年8月12日
いて座新星2009年No.3撮影



f135mm画像

拡大画像
2009.8.12 21h09m 
*istD f135mm
ISO400 30s

自宅 ベランダにて

 夜空に突然現れる「新星」。その魅力の虜になったお二人が、8月6日、いて座にまたまた新星を発見されました。福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんです。

 
 →西山さんと椛島さん、いて座に明るい新星を発見(国立天文台 アストロ・トピックス (496))

 今年の、我が銀河系内での新星の発見はこれで(たぶん)4つ目。お二人は、今年、いて座新星No.1も発見しておられます。
 雨天・曇天が続く中、久々に雲が途切れた8月12日、この新星を撮影することができました。発見された時は7.7等級でしたが、この夜は9.4等位になっていました。

金津(石橋)

2009年8月1日
日原天文台


 75cmの主望遠鏡は25年を迎える今日も当時と変わりません。
 今でこそ流行りでは
ありますが、当時から経緯台で自動導入・自動追尾を行っています。


 天文資料館「ポランの広場」にて。
 冷コを頂戴しました。


 日原天文台は島根県の一番西の津和野町(合併以前は、日原町)にあります。一番東の松江からは車で4時間くらいかかります。松江から東に4時間走れば大阪に着いてしまうのですから、いかに島根県が東西に長いかおわかりのことと思います。
 さて、日原天文台ができてから来年で25周年になります。今でこそ全国各地に大型の公開天文台がたくさんありますが、ここ日原天文台は全国で一番早く開設された天文台です。まさにパイオニアです。(ライブラリに画像があります)

安部(八束)

2009年7月15日
木星と海王星のツーショット


2009.7.15 23h21m
Pentax *istD f135mm
ISO400 15s

写真の上が北。右上と左下は電線です。
画像をクリックして下さい。
 木星と海王星が並んで見えています。これから少しずつ離れて行きますが、しばらくの間は双眼鏡や小型の望遠鏡でツーショットを見ることができます。木星とやぎ座μ星を目印に(左の写真を参考にして下さい)7.8等の海王星を見つけられます。
 太陽系最遠の「惑星」海王星は、地球からおよそ44億kmの彼方で、4時間ほど前の姿を見ていることになります。

金津(石橋)

2009年6月20日
日食メガネ付きの本が発売になりました。
(980円)


 日食を見たいものの、太陽はまぶしいし、どうしたものかと思っておられた方も多いはず。そんな方に朗報です。星ナビを発行しているアストロアーツから、日食を安全に見るための「日食グラス」が付録についた「日食観測マニュアル」が発売になりました。
 今井書店学園通店(松江市)に在庫がありました。わかりやすく必要にして十分な内容です。早速、私も一冊買いました。

安部(八束)

2009年6月19日
中国のアマチュア天文家が発見したP/2009 L2 (YANG-GAO)彗星

2009.6.18 215330JST- (60sec)
0.26-m f/6.0 reflector + ST-6
彗星は、線と線の間の少しぼやけた星です
 6月15日、へび(尾)座に14等で発見されました。    300mmF2.8+Canon 350D(KissD-N)での発見です。
 発見位置からして、新星パトロールと兼ねた捜索のようです。天の川の中、そして南から昇って来たこともあって、見事にプロの捜索の網をくぐり抜けて発見されました。
 YANG-GAOの彗星発見は、C/2008 C1(200mm F2.8での発見)に続いて2つ目になります。
 発見に使われた星明天文台の様子は次のホームページ見ることができます。http://www.xjltp.com/
 今年は、日本、韓国、中国のアマチュアによる新彗星発見が続いています。
 八束天体観測所(367 Yatsuka)では、6月18日にこの彗星の観測に成功しました。CCDによる全光度は14.0等でした。

安部(八束)

2009年6月19日
皆既日食ツアー・中国上海(米子空港発)

 6月14日の山陰中央新報に折り込みの「りびえーる」に広告が載っていました。
 松江のすぐ近くにある鳥取県・米子空港からのからのツアーです。
 松江に住んでる方にとって、最も手軽に皆既日食の見える場所に行ける方法でしょう。
 皆既日食の観察場所は上海華凱ゴルフ場だそうです。
 なお、松江天文同好会では、松江市立天文台(予定)で市民のみなさんを対象にした日食の観察会を行います。また、松江天文同好会の会員が上海ツアーに行きます。きっと、上海の様子を松江の会場に携帯電話で中継してくれるでしょう。

  松江での日食の見え方
   食の開始  9時50分
   最大    11時00分 食分 0.817
   食の終了 12時20分

安部(八束)

2009年6月17日
第28回山佐ダムキャンプ場祭り
 (7月25日(土)開催)のご案内

 今年のSun-in星の集いの会場でのイベントです。
 施設を管理しておられる「NPO法人やまびこ」の主催です。
平成21年7月25日(土)午後7時〜(雨天は7月26日(日)) 焼き肉パーティー、演芸、花火
 当日は、三日月ですので、晴れれば素晴らしい星空を見ることができるでしょう。(おそらくですが、)花火の時はダムの照明も消されるでしょう。
 イベントの詳細は、チラシをご覧ください。

安部(八束)

2009年6月11日
南天からやって来たC/2008 Q3 (Garradd)彗星



2009.6.11 214400JST- (30sec)
0.26-m f/6.0 reflector + ST-6
上が北です。
 ずっと曇りや雨続きの空でしたが、6月11日(木)の夜は久しぶりに澄み切った星空が見えました。
 20時を過ぎないと暗くならない夕方の空ですが、当日は仕事の関係で21時30分頃に観測所に入りました。彗星を3つ撮影。うち一つは南の空からようやく上がってきた10等台の彗星です。
 これまでずっと南に低く、天気も悪かったので、おそらく今夜が日本での初観測の一つでしょう。(あとで聞いたら、北半球では初めての観測のようです。)
 観測報告には、「彗星は尾が広がった,いかにも彗星らしい姿」、全光度は,10.6等とコメントしました。
 海外の眼視観測では6等台の報告もあるようです。しばらく、南の低い空に見ることができます。

安部(八束)


2009年5月25日
天体観測の教科書「変光星観測」

03328
 数少ない変光星観測の参考書が、誠文堂新光社から出版されました。
 内容は最先端ですが、わかりやすく解説してあります。明るさの変わる星に興味がある人にお勧めの本です。

金津(石橋)

2009年5月20日
日食グラス


 今年(2009年)7月22日に日食があります。
 松江天文同好会では松江市教育委員会と共催で、当日に「松江市立天文台−日食を観察しよう−」のイベントを行いますが、このイベントが世界天文年2009の公認イベントに認定されたことにより、国立天文台から日食グラス(世界天文年2009日本委員会推奨)20個の寄贈がありました。

 日食は、ピンホールや木漏れ日などでも観察することができます。

世界天文年2009 日食観察ガイド

※日食グラスと望遠鏡、双眼鏡、カメラを組み合わせてのぞいてはいけません。

 安部(八束)




   
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