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2012年11月17日

講演「宇宙開発からのもうひとつの贈物」-高大接続シンポジウム-



 11月17日、サンラポーむらくも(松江市)で開催された島根大学主催のシンポに出かけました。高大とは「高校」と「大学」という意味。「高大接続」の詳しい意味はここでは語りませんが、「小中一貫」の延長にも感じました。
 今回のシンポ、サブタイトルは「山陰地区からグローカルな学力と人材育成を想像する」、そしてチラシには「夢は宇宙をかけめぐる-学びのコスモスは無限大-」とあります。
 特別講演としてJAXA副理事長の樋口清司氏のお話を聴きました。内容は決して理工系のお話ではなく、文系(哲学系?)のお話です。
 内容の紹介は スライドの一部をご覧いただくことで換えさせていただきます。思うに、まずは満天の星空で大の字に寝そべってみれば感じることができる、そんな感性の世界 だったようにも思えます。
 1時間の予定時間が実際の講演は35分。いろいろ考えながらの講演でした。メモからいくつかを紹介します。


・宇宙に出ると人間の認識を変える。人類の月面着陸者は12名。そのうち4名が宗教家・哲学家になった。
・国際宇宙ステーション内で「犯罪」が起こった場合にどのように裁くか(この場合、船長の権限は絶大)、実験棟で発明された「特許」はどうするか…。
・国際宇宙ステーションでの芸術の話。動画で紹介。掲載画像は無重力での8cmの水のかたまり。このほかに「飛天プロジェクト(石黒節子)」の紹介あり。宇宙飛行士が羽衣をまとい、無重力の中を舞うもの。
・2次元から3次元へ。現在は上下の意識が希薄。宇宙に飛び出せば上下と左右の差が無くなる。
・掲載画像はコンスタンチン・ツィオルコフスキー氏(1857-1935、ソ連)。「宇宙旅行の父」「宇宙開発の父」「ロケット工学の父」。
・「人類の進化」→人類は宇宙に出ていく。人間とは何か?無重力状態では人類はやがて無脊椎動物になる?人類の進化の相反!?

 以上が講演内容の走り書きです。「3次元」に加えて、人類が宇宙に出て行った場合の「時間」についてもお話が進めばもっとおもしろかったと、このメモをまとめていて思いました。
 「人類の進化」もですが、僕は当面のこととして「数百年先の日常」に興味があります。みんなどんな生活をしているでしょうか。天文教室はどんな運営をしているのでしょうか。
 しし座流星群観察会の時に「火星における地球の日面通過」が話題になりました。調べてみたら、直近では72年後の2084年 11月10日のようです。樋口先生のお話のように人類は宇宙に飛び出しているかもしれませんね。時間の軸についてもどのように解決しているか楽しみです。 もし、この日面通過観察ツアーを天文ガイドや星ナビが企画したら、何年前から募集があるかな。それより、月から見た地球による皆既日食のほうが(72年後 では)現実的?

安部(八束)





   
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