台風一過の夜、雲が行き交うなか、山形の板垣公一さんがおとめ座に発見した超新星2012cuを撮影してみました。超新星捜索を意識して、撮影方法や撮影後のチェック方法を検証するためです。
なお、この超新星は板垣さんが6/14の夜、一晩で2つ発見した超新星のうちの一つです。
●TOCPの情報
http://www.cbat.eps.harvard.edu/unconf/followups/J12532935+0209390.html
発見及びその後の追跡観測の情報です。
なお、発見は次のとおりとなっています。
PSN J12532935+0209390 2012 06 14.5586* 12 53 29.35 +02 09 39.0 16.3 U 3E 27S N4772 I 0
発見は6/14(木)の夜です。16.3等での発見です。
●CBET 3146の情報
http://www.cbat.eps.harvard.edu/iau/cbet/003100/CBET003146.txt
正式に新発見が発表されました。
●367 Yatsukaでの撮影結果
@30秒露出で撮影した原画像をJPEGで保存したものです。
銀河が明るく、超新星が埋もれてしまって超新星がわかりません。
うす雲の通過があったせいか、少しきたない画像ですね。
Aダーク画像を引いた画像をJPEGで保存したものです。
全然きれいになりません。やはり、うす曇りのせい?
Bダーク画像を引いた画像を180度回転して、上を北にしました。
そして、白黒反転。
レンジ調整をしたら、超新星がくっきりと浮かび上がりました。
※銀河中心のすぐ下の星です。
●測定
(位置・光度)
彗星の位置測定と同じようASTROMETRICA V.4を利用しました。
SN2012cu C2012 06 20.50017 12 53 29.35 +02 09 38.9 14.4 R 367
・「位置」は、発見報告のもとほとんど同じなりました。
・「光度」は、なんと14.4等!まで明るくなっています。(発見時は16.3等)
(銀河中心からの距離角)
金津さん作ってもらったソフトで測定してみました。(ありがとうございました)
・東に5.2秒、南に28.1秒になりました。板垣さんの発見報告は東へ3秒、南に27秒となっています。
板垣さんの報告とは数秒違いますが、気にしません。銀河中心の座標をどの数値を採用するかで違います。※私は、本「NGC.IC天体写真総カタログ」のデータを採用しました。
●撮影機材は、次のとおりです。
260mm f1550mm(ニュートン式)
+ ST-9XE(冷却CCDカメラ)
MIKAGE 210B(赤道儀)
+ K-ASTEC AGS-10(5P)(自動導入コントローラー・モータードライブ)
+ Yoc3.0β(自動導入ソフト)
冷却CCDカメラの温度は-5度、露出時間は30秒(ノータッチ)。
画像処理は、ステライメージ5を利用。1枚の撮影画像を処理。
●謝辞
自動導入ソフトYocは作者の瀬戸口さんに一部の改修をお願いし、超新星や彗星を観測するためにとても便利なものになっています。作者の瀬戸口さんに厚くお礼申し上げます。
※Yocはこの5月にバージョン3.0βが発表され、これまでのバージョン2.8での不具合も解消されています。
※MIKAGE 210Bの改造の様子は、あらためて記事を書きます。