天文教室
観望会
美保関隕石
Sun‐in星の集い
新天体発見


2020年6月21日 部分日食観察会(末次公園)


 新型コロナ禍の中で開かれた部分日食観察会。イベント自粛が続く中での開催でしたので、どれだけの参加があるのか見当がつきませんでしたが、たくさんの方の来場がありました。松江星の会からは伊藤・小川・佐藤・中島・野波・安部、そして飯塚3人親子が参加しました。
 以下、10年後の日食の際の観察会に参考になるようにメモを残します。

 
●運営体制、新型コロナウィルス感染防止対策
・いつもの天文教室と同様ではありますが、観察会全体の管理は教育委員会、日食の説明は松江星の会という役割分担で取り組みました。教育委員会がとても丁寧な対応をされてました。たくさんの参加者があるイベントは役割を明確にして準備実施することが大切とつくづく思いました。
・公園の広場に交通整理用のコーンを一定間隔に置いて、参加グループが密接しないようにするという徹底した対策がとられました。もちろん、参加者全員がマスク着用です。

●参加人数
・大人167人 子ども83人 計250人(107組) 受付:生涯学習課
 ただ、実際には大人よりこどもさんが多かったように感じました。感動の声が大きかったから?

●広報
・市報松江 2020.6(ホームページでバックナンバーを見ることができます。)
・松江市ホームページ 天文教室のページ
・松江星の会ホームページ
 日食当日の松江星の会ホームページ・アクセスカウンターは「101」でした。
いつもは10前後ですので、いかに松江での日食に関心のある方が多かったのがわかります。

●遮光板(太陽グラス)
・「遮光板」は以前(前回の金環日食?)に購入したもので、数百円程度のものだと思います。これで太陽を見ると太陽は赤く見え、輪郭はあまりくっきりしないものでした。また、減光の度合いが高いようで、薄雲が通ると太陽は見えなくなってしまいました。
・「太陽グラス」は国立天文台が世界天文年2009の際に配布したもので、(株)ビクセンが制作したものです。JIS規格準拠で高品位遮光プレート使用とうたっています。太陽は白くクリアに見えます。現在もビクセンから発売中です。次回はぜひこの日食グラスで確実に見たいものです。

●注意
・太陽投影板を取り付けた小型望遠鏡、設営完了までに「ファインダーをはずす」ことを忘れていました。誰しもがのぞけそうなものがあるとのぞきたくなるものです。太陽を相手にする場合は細心の注意が必要です。
・来場者の方で「双眼鏡や天体望遠鏡を持ってこられた方」がおられました。双眼鏡は以前の日食の際に購入したもので、日食を見ることができる双眼鏡とのことでした。天体望遠鏡を持ってこられた方には、さすが助言(注意?)しました。
・一般の方を対象にした日食観察会では減光用フィルターを付けた望遠鏡や双眼鏡の利用は控えたほうが良いと思いました。子どもたちが自宅に帰ってから、観察会の様子を真似して自分の望遠鏡や双眼鏡で太陽を直接見てしまう危険があるからです。
・次回は「来場者による天体望遠鏡や双眼鏡の持ち込みは禁止」したほうが良いです。星の会としてもできるだけ「直視する方法はやめる」ほうが良いと思いました。

●日食のスケール感
・地球−月−太陽それぞれの大きさ・距離を身近なものに置き換えてみました。
・地球は20cmの球、月は5cm、太陽は20m。(月/太陽は1/400の大きさ)
・地球〜月の距離は6m、地球〜太陽は2.4km(地球〜月/地球〜太陽は1/400の距離)
→ 20cmはスイカ、5cmはミカン、20mは丸い大きなガスタンク、
2.4kmは末次公園から松江駅や昔のガスタンク(今のTSKの場所)でよいでしょう。

●これから日本で見ることができる皆既日食・金環日食
2030年6月1日金環日食(今の年齢+10才)
2035年9月2日皆既日食(今の年齢+15才)
2041年10月25日金環日食(今の年齢+21才)
2063年8月24日皆既日食(今の年齢+43才)
2074年1月27日金環日食(今の年齢+54才)
2095年11月27日金環日食(今の年齢+75才) ※松江で金環日食が見えます!
・今日の参加された小学生は見ることができるでしょう。そういえばその昔、末次公園でおしえてもらったと...。

●観察会の様子
 観察会の会場は市役所前の末次公園。公園内には東屋や適当な木陰、近くにはコンビニもあり、日食観察には最適です。たくさん並んだ赤いコーン、みなさん整然と日食を楽しんでおられました。   日食観察は遮光板と投影板を使った望遠鏡で安全に観察しました。他にもいろいろなアイテムを用意し、ピンホールの仕組みを利用して白い画用紙に欠けた太陽の様子を楽しみました。 

 麦わら帽子ではたくさんある網目の隙間が無数の三日月のように見えています。蒸し用落し蓋や穴あきおたまは少し穴が大きかったので太陽がうまく三日月のように映せるか心配でしたが、少し離して投影するとたくさんのギョウザのような太陽の像が映し出されました。   食品トレイに穴をあけて今日の日付と場所を太陽の欠けた姿で表しました。これは記念そして記録に残る景色です。N嬢の力作です。   日食が終わって星の会の参加者で記録撮影。10年後、このマスク姿をどう思うのでしょうか。 

 
 参加された方が今回の観察会にとても感動されて、私の様子を撮ってくださいました。逆光の様子が日食観察会にお似合いです。ナイスショット!   会場受付で配布された協力依頼のチラシです。
 10年後の日食ではどうなっているでしょうか。きっとワクチンや治療薬が開発されていて、新型コロナウィルスは懐かしい想い出になっているでしょうね。


安部(八束)




   
inserted by FC2 system