ネオワイズ彗星(C/2020 F3)の実際の尾の長さを測る



2020/7/21(火)の尾は10度角くらいの長さがありました。

実際の星空で手を使えば簡単に測定することができます。
今回の場合も、実際にこぶし1個くらいの長さ(10度角くらい)でした。
(参考)
https://sagamiharacitymuseum.jp/kongetu_hosizora/seizu_kakudo/

ステラナビーゲータで彗星を表示して、左クリックするといろいろな数字が出ます。
(後段に掲げます)

実際の尾の長さを図るためには
地心距離 0.69541 au
日心距離 0.59555 au を使います。
地心距離とは、彗星と地球の距離です。
日心距離とは、彗星と太陽の距離です。
なお、太陽と地球の距離は1au(天文単位)です。

これを紙にものさしとコンパス・分度器を使って作図します。
私は1auを10cmで作図しました。
そうすると尾の長さは1.1cm=0.11auと読み取れます。

1auは1億5000万kmなので、
尾の長さは 1億5000万km*0.11au=1650万km となります。
地球の直径は 1万2700kmなので
16500000/12700 は1300
つまり、彗星の尾の地球の直径の1300倍になります。
太陽は地球の109倍なので
1300/109 は12
つまり彗星の尾の長さは太陽の直径の12倍もあります。
このように今回のネオワイズ彗星のように肉眼で見えるような彗星は、
私たちが実際に見ることのできる太陽系最大の天体です。

尾は曲がっているとか、見えているは一部とか、桁数の精度なんて小難しいことは言いません。
宇宙の中での彗星の姿が想像できれば良いと思っています。
これまでの活動の成果を生かして、こども天文クラブなんかの活動をできればと思っています。

彗星の仕組みや当夜の写真(明るい場所で撮影したもの、暗い場所で撮影したもの)、
今回の作図を付けて、夏休みの研究にどうぞ。



※有効数字は2桁を想定しました。
参照した数値など、間違っていましたらご指摘ください。

(参考)
http://s-uchiyama.na.coocan.jp/magatama/32hyakutake-scale.html


ステラナビゲータからの情報
(例)2020/07/21 21:00:00 の場合
ネオワイズ NEOWISE (C/2020 F3)
光度 2.1等
赤経 09h56m07.3s 赤緯 +46゚34'19" (J2000)
方位 315.560゚ 高度 16.953゚
出 04:27 南中 14:01 没 23:28
地心距離 0.69541 au
測心距離 0.69541 au
日心距離 0.59555 au
太陽離角 34.734゚E
公転周期 6950年
近日点通過時刻 2020年 7月3.68133日 UT
離心率 0.999191
近日点距離 0.294706 au
移動量(赤経) 53.049 s/時間
移動量(赤緯) -153.84 "/時間
移動方向 105.60 度
移動量 569.36 "/時間



<記> 安部(八束)


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