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2017年2月18日 講演「天体からの重力波」 



島根大学ヒッグス・初期宇宙プロジェクトセンター講演会
日 時:平成29年2月18日(土)13:00〜14:30
場 所:島根大学教育学部20番教室
講 演:「天体からの重力波〜アインシュタインの予言した時空のさざ波を捉える〜」
講 師:神田 展行(かんだ のぶゆき)氏(大阪市立大学・教授)

[撮影] 安部(八束)


(概要)
・アインシュタインの一般相対性理論によって予想された重力波を、予想から100年後の2015年にアメリカのLIGO(ライゴ)実験で人類が初めて観測した。
・今回観測された重力波は、およそ14億光年の彼方で太陽質量の30倍ほどの二つのブラックホールが合体したことで起きた波とわかった。
・そのブラックホール同士は200kmまで接近し、1秒間に80回という信じられないような速さでお互いが回転し、最後に合体した。
・重力波を捉えるには、例えば我々の銀河系全体が1cm伸び縮みするのを検出する(10-23(10の23乗分の1)を測る)レベルの観測技術が必要。
・日本では岐阜県飛騨市神岡町の地下に建設中のKAGRA(かぐら)が、2018年に観測開始予定。巨大な装置が置かれているが、とてもデリケートな観測装置なので、中枢部はちりひとつ無いクリーンなところ。離れた建物から遠隔操作で実験する。本日の講師・神田教授は、この実験のデータ管理グループ・リーダー。
・今回のLIGO実験からブラックホールの新たな謎が・・・
 @何処で生まれたのか?
 A何故太陽質量の30倍もある大きなブラックホールができたのか?
  (これまでエックス線で観測されたブラックホールはこれよりはるかに小さい)
 B同じようなブラックホールがどの位あるのか?
 これらの謎が解明されるであろう「重力波天文学」が始まった。

  →「KAGRA」 http://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/
  →「LIGO」 https://www.ligo.caltech.edu/ (英語です)

 重力波の「音」を聴きました。
 今回観測された巨大ブラックホールの合体は低い音。もっと軽い、中性子星の連星の合体で予想される音は高い音で、近づきながら最後にポンとかわいい音で合体しました。
 宇宙空間を伝わってきた、かすかな波を捉える技術に驚嘆ですが、それが何によって起こされた波かがわかることがさらに驚きです。

金津(石橋)


 新しい発見の事実検証の大変さが分かりました。
 日本がこのような物理学の分野で世界的に研究していることは大変誇らしく思います。
 神岡の重力波望遠鏡KAGRA見てみたいですね。

古都(米子)



 宇宙が発したほんのわずかな違いを見つけるため、巨大な実験装置を作る人間の英知と努力に興味を覚えました。
 参加者は40-50人くらいだったでしょうか。
 宇宙の最先端のお話を身近に聴く機会をいただけることに感謝します。

安部(八束)





   
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